「100円空き家」の内覧会。不動産業者と市職員がサポートする=2024年9月8日、富山県魚津市内

 買い手がつきにくい空き家の価格を「100円」均一に設定し、売買をうながすユニークな制度を富山県魚津市が始めた。第1号の物件を8月に公開し、買いたい人を募ったところ、市内や関西から3組の希望者が現れた。

 物件は、海沿いの市街地に立つ築約60年、木造2階建ての5DK住宅。今月8日にあった内覧会に、夫と訪れた40代の女性は「きれいな家で、これが100円とは素晴らしい。家族で釣りが好きなので場所もいい」と話した。

 現在は子ども2人と夫婦の4人で、市内の賃貸アパートに住む。会社の同僚に、市の「100円空き家バンク」を教えてもらい、この物件を見つけたという。

 家と土地の所有者は、市内の80代の男性だ。20年ほど前まで自身が住んだ後、賃貸していた。昨年秋に借り手が引っ越した後、取り壊そうと考えていたが、制度を知って即座に申し込んだ。

 「ここで子育てもしたし、壊すのは寂しい。喜んで使ってくれる人がいるなら100円でも提供したい」と話す。

 市は以前から、市民に物件の…

共有
Exit mobile version