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福岡県

 福岡市によると、城南区の認可保育園が7月、手足口病の0歳児を段ボールに入れていたことがわかった。外部からの情報提供で判明し、市は定期監査で園に事実関係を確認した上で、「虐待が疑われかねない不適切な保育」として口頭で注意したという。

 市によると、園は手足口病の症状があった0歳の女児について、保護者に電話で連絡して迎えに来てもらうまでの間、事務室の段ボールに入れていた。

 園は「女児が動き回ることで他の園児や職員への感染を防止するためだった」と説明。段ボールは約60センチ四方だったという。

 学校保健安全法上では、手足口病にかかっていても出席停止は求めていない。園は、園児のかかりつけ医が登園可能と判断すれば登園させていたが、登園後に女児の症状が重くなったことから保護者に迎えを頼んでいた。

 柴田小児科医院(東京都台東区)の柴田雄介院長は、「国の『保育所における感染症対策ガイドライン』では、手足口病は、症状が回復したあともウイルスの排出は長く続くため、発熱や口の中の水疱(すいほう)の影響がなく食事が取れれば登園してよいとしている。手洗いや、排泄(はいせつ)物の処理に気をつける必要はあるが、集団の中で隔離をする必要はない」と指摘した。

 感染症に詳しい長崎大学の森内浩幸教授(小児科学)は、保育園の子ども・保育士の人数、施設の規模や0歳児の状態にもよる、とした上で「空気感染する病気ではなく、ほかの子どもたちと距離が取れるようにすれば感染拡大は防げる。柵で仕切るなどの対策でも十分で、段ボールに入れざるを得ない状況はあまり起こらないのではないか」と話した。

 市の担当者は「一般的な段ボ…

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