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智弁和歌山―横浜 六回裏横浜2死一、二塁、奥村凌は右前安打を放つ=伊藤進之介撮影
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 (30日、第97回選抜高校野球大会決勝 横浜11―4智弁和歌山)

 六回裏、2死一、二塁。奥村凌大(りょうた)(3年)が打席に立った。「仲間がつないでくれたバトンを後ろへつなぐ」。そう決めてインコース気味の球を振り抜き、右前安打を放つ。横浜はこの回、集中打で一気に6点を奪った。

 愛知県出身。「体が小さくてもこれだけできるんだ」と教えてくれた横浜のかつての主将、緒方漣さんに憧れ、進学を決めた。入学時の体重は56キロだったが、体づくりに励み74キロまで増やした。

 昨秋は、公式戦の全15試合に出場。チームトップの13打点を記録し、打率は3割8分6厘。関東大会では、決勝での延長十回適時サヨナラ打で、チームを優勝に導いた。その活躍ぶりに、村田浩明監督は「秋の大会MVPです」とオーダーグラブを贈ったという。

 今大会も、準決勝で4安打を放つなど、19打数8安打で貢献した。反省点もあったというが「(緒方さんに)近づけたと思う」と話す。

 「夏の甲子園で勝ってこそ本物の(強い)チーム。しっかり練習していく」と、浮足立つことなく次を見据えた。

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