天皇、皇后両陛下が8日、ウランバートル市内に立つ日本人死亡者慰霊碑で黙禱(もくとう)を捧げた。両陛下の慰霊には、日本に住む遺族も立ち会うために訪れた。民間人だった父が犠牲となった東京都狛江市の鈴木富佐江さん(88)は、次男夫婦や孫とともに両陛下の拝礼を見守り、手を合わせた。
慰霊碑が立つこの地は、かつて「ダムバダルジャー墓地」と呼ばれ、約800人の日本人抑留者が葬られていた。鈴木さんの父(荒井醇(じゅん)さん、享年39歳)もモンゴルで抑留死した一人だ。
鈴木さんと3人の弟は、旧満州(現在の中国東北部)で生まれた。醇さんは、現地で石炭や綿を扱う商社の重役だった。しかし、醇さんは太平洋戦争末期の1945年5月に出征。その後、消息不明となった。
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たどり着いた日本、父はどこに
鈴木さんと母、3人の弟は旧…