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大阪大学の松林哲也教授=2024年10月21日、大阪府豊中市の大阪大豊中キャンパス、近藤咲子撮影

 日本の選挙でいつも課題になる低投票率。世界の民主主義国では、どのように投票率を上げようとしているのでしょうか。国内外の有権者の投票行動を研究する大阪大学の松林哲也教授に聞きました。

 ――有権者はどんな時に投票に行くのか、世界で共通点はありますか。

 あります。物を買ったり、決断したりする時と一緒で、コストとベネフィット(利益)を基準に判断しています。

 投票のコストは、投票所に行くこと、事前に調べる労力などがあります。一方、ベネフィットは、投票した政党や候補者が勝って生活に返ってくることなどです。計算しているわけではなく、頭で何となく比較されて行動するイメージです。

 ――日本は低投票率と言われますが、世界の投票率はどうでしょう。

 世界規模で投票率が下がっています。OECD(経済協力開発機構)加盟国の国政選挙の投票率に絞っても、1950年ごろから徐々に下がっています。各国の有権者の中で投票率の高い世代から投票率の低い世代への交代が進んでいるからだとよく言われます。

米国では郵便投票に完全移行し、投票所がない地域も

 ――投票コストを下げるため、どのような取り組みがありますか。

 世界共通なのは、投票期間が…

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