重いランドセルを背負い、両手も手荷物でふさがっている。そんな小学生の負担を文字どおり軽くしようと、抱っこひもメーカーが新形態の「ランドセル」を売り出した。抱っこひものノウハウを生かし、重さを感じにくくする工夫がちりばめられている。
子育て用品ブランド「papakoso」を手がけるワンスレッド(横浜市保土ケ谷区)社長の半田真哉さんは、妻が切迫早産などで入院したのを機に本格的に育児に関わるようになった。
2017年には父親向け抱っこひも「papa―dakko(パパダッコ)」を売り出した。子どもの体重が15キロまでは耐えられる頑丈さなどが人気を呼び、同社の主力商品に成長させた。
ランドセルに取り組むことになったきっかけは我が子だった。
災害時を想定した訓練で帰宅した姿を見て、半田さんは驚いた。ランドセルを背負い、入りきらない体操服などを両手に持っていて、とても安全に避難しているようには思えなかった。
「重さを感じにくいランドセルは、抱っこひもメーカーだからつくれるのでは」
そんな考えが持ち上がったのは21年だった。
試作品を手に取った長女の反応は…
コロナ禍で中国の工場が通常…