大阪拘置所=大阪市都島区

 拘置所で同房者からいじめを受け、ボールペンで陰部にけがを負わされた――。そう訴える30代男性が1日、同房だった4人を傷害容疑で大阪地検に告訴した。

 告訴状などによると、男性は昨年6月に窃盗罪で起訴され、7月に大阪拘置所の集団室に勾留された。同房の4人から暴行を受けるようになり、「俺はヤクザだ」などと口止めされて同月26日、ボールペンの芯で陰部を刺され、翌朝にも同様の暴行を受けたという。30日には腹に跳び蹴りを受けたとして、室内の報知機で通報した。

 男性は腹の打撲も含めて全治2週間と診断された。拘置所は4人を60日間、懲罰房に入れ、今年6月に陰部への暴行について書類送検。地検が不起訴としたため、ほかの暴行も合わせて男性が告訴した。

 暴行の一部は監視カメラに映っていたといい、代理人の弁護士は「エスカレートするいじめを黙認した拘置所にも責任の一端がある」と話す。拘置所の担当者は取材に「集団室に入る人の状況を細かく把握し、健康診断や入浴の際、体に傷がないか気をつけて見るよう職員間で再確認した」と話した。

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