東北初のプロオーケストラである山形交響楽団を創設し、トップクラスの楽団に育て上げた指揮者の村川千秋(むらかわ・ちあき)さんが25日、肺炎で死去した。92歳だった。葬儀は近親者で営んだ。後日、山響がお別れの会を開く予定。
山形県村山市生まれ。東京芸術大学器楽科でクラリネットを専攻し、のちに同大作曲科に再入学した。1963年に渡米し、インディアナ大学大学院で指揮を学ぶ。ニューヨークで巨匠レオポルト・ストコフスキーに師事。同門にいたシベリウスの娘婿、指揮者ユッシ・ヤラスとの出会いをきっかけに、シベリウス作品の研究と演奏がライフワークとなる。
66年に帰国し、東京交響楽団を指揮してデビュー。72年、山形市に山形交響楽団を創設し、長く音楽監督兼常任指揮者を務めた。現在は同楽団創立名誉指揮者。
晩年は幼児教育にも心血を注いだ。先月18日、村山市で山響を率い、シベリウスの「フィンランディア」などを指揮したのが最後の舞台となった。渡辺暁雄音楽基金特別賞など受賞。