高校野球の育成と発展に尽くした人に日本高校野球連盟と朝日新聞社が贈る「育成功労賞」に、田辺監督の田中格さん（53）が選ばれた。2024年春の選抜大会には「21世紀枠」として出場を果たした。意見を押しつけず、選手の個性を尊重した指導方法も評価された。
「ずっと若いつもりだったが、長く野球をやってきたんだなと改めて気づかされた」。田中さんは受賞の知らせを聞いた感想をこう話した。
田辺の卒業生で、大学卒業後に県の教員に。田辺工で硬式野球部長・監督を経験した後、母校に赴任し、12年から監督を務めている。
就任後、ずっと「智弁和歌山の壁」に挑んできたが、はね返され続けた。その壁を初めて越えたのが、23年の秋季県大会準決勝だ。リードされる展開から、逆転の満塁本塁打が飛び出し初めて勝利を収めた。「指導者をやってきて一番うれしかった勝利かもしれないですね」
この勝利がきっかけで近畿大…
