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インタビューに答えるスポーツ心理学者の布施努さん
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 トヨタ自動車野球部、早稲田大や桐蔭学園高のラグビー部などスポーツチームで心理面からの組織・個人パフォーマンス向上の指導を行っているスポーツ心理学博士の布施努さん(60)に、子どもを指導する際に意識すべきことを聞いた。

 子どもを指導する際は「やればできるかもしれない」という自己効力感を育てることが大切です。実験やフィールド観察の結果から、スポーツ心理学の中では昔から重要視されていました。

 まず就学前が、この感覚が育つ時期です。このころの子どもは、自分ができたかが重要で、周りを気にしていないかもしれません。親の言葉が響く時期であり、「ほかの子はどうだったの?」と周りと比較するのではなく、「頑張ったね」「すごいね」とポジティブな声かけが有効です。

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 小学生になると、自然に周囲との比較をし始めます。例えば、体育の競走でみんなに勝てるから自分は足が速い、とか。だんだん親の言葉の影響力が薄くなり、中学生にもなれば仲間からの評価が一番気になってきます。

 自己効力感は、自分ができるかどうか。この時期は仲間との比較はするけれど、先週と比べてどうか、というように過去の自分との比較は苦手。時間軸で「これができるようになった」「こういうことができるようになりたい」と自分に目を向けさせてあげることが大事です。

 指導者は、結果より、技術などの成長をほめてあげてほしい。例えば、野球だったら打率3割、10本塁打を打つという目標を、全員はクリアできない。でも、正しいスイング、正しい守備の構えはきちんと教えれば、誰でもできるようになる。この前まではひざが曲がらずに守っていたけど、ひざを曲げて守れるようになってきたぞ、とほめてあげる。この時期に結果よりもプロセスをほめられた子どもは、自己効力感を抱きやすくなります。

 ただ、小さいころは何でも「できたね」とほめれば喜んでくれるけど、だんだん「うまい子はそんなことじゃほめられない」「僕はその程度に見られているんだ」などと考え始めるので注意が必要です。指導者が信用を失うと、ほめられても「こんなものは誰でもできる」と、どんどん自信がなくなり、ネガティブになっていきます。同じ盗塁でも、本当に足が速い子もいれば、投球動作を盗むのが上手な子もいます。子ども一人ひとりの技量を見て、期待感を持ってほめてあげるのが良いです。

 中学生の後半から高校生になると、自分で自分に目を向けられるようになります。技術の改善や試合に向けた準備など自分で目標を設定して、それをクリアするというのができるようになる。自分で目標を決めるというのが、自己効力感にすごくつながるんです。

 そのためにもしっかり目標設…

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