ブリ養殖を手がける高知県宿毛市の会社が、ブリの胃袋を商品化した。廃棄に困ったわけではない。「胃袋までおいしいブリ」とPRするのが最大の狙いだ。
水産加工会社「勇進」は、県の西の端に位置する宿毛湾で、大型のいけすを使い、入れる魚の数を絞って大切に育てた看板商品「荒木さん家のブリ」を販売している。生産から加工、出荷まで自社で一貫して担う。
コリコリした食感が特徴の「ブリホルモン」と名付けた新商品は、数年前、社長の荒木俊慶(たかよし)さん(33)が加工場でブリをさばいている時、子ども時代の懐かしい味を思い出したのがきっかけだ。
父で先代社長の故・章政(ゆきまさ)さんは年に1回ほど、どこかでマグロの胃を手に入れ、家に持って帰ってきた。
これを甘辛く煮たのがうまか…