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松葉を持つ伊藤翔馬さん=2025年4月20日午後1時34分、愛媛県今治市桜井6丁目の志島ケ原、川村貴大撮影
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 茶色い松の葉が、じゅうたんのように松林の地面を覆い尽くす。焼却処分されるはずだった廃棄松葉をペレットに加工し、消臭剤や肥料などとして販売する企業「マツノミライ」を、愛媛県今治市出身で高校生だった男性が立ち上げた。取り組みを全国に広げて廃棄松葉ゼロを実現し、美しい松林の景観を未来につなげることを目指す。

 瀬戸内海の燧灘(ひうちなだ)に臨む海岸に広がる志島ケ原(今治市桜井6丁目)は、国の名勝に指定される白砂青松(はくしゃせいしょう)の景勝地だ。

 今春から慶応大学総合政策学部に通う伊藤翔馬さん(18)は、中高一貫の今治東中等教育学校1年の頃から、通学路近くに広がる志島ケ原の景色に魅了されてきた。

 「きれいな松林だな。誰が管理しているのだろう」。学校行事で年に数回、松林の清掃を体験し、3年生の冬には月1回の松葉かきに参加するようになった。

この景色を守り続けるために

 そんな中で、松の木を枯らさ…

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