学級担任をしていた児童の頭やほおを指でたたいたり、日常的に授業中の教室などで「くず」「死ね」「消えろ」といった暴言を浴びせたりしたとして、長野県教育委員会は12日、中信地区の小学校の女性教諭(36)を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分とし、発表した。
県教委によると、被害を受けた児童は計7人。授業中に騒ぐなどしたため、昨年7月ごろから今年3月上旬にかけて体罰をしたり、暴言を浴びせたりしたという。
暴言について、県教委は「体罰で児童の意識を指導に向けられず、子どもたちが嫌だと感じる言葉で気づかせるしかないという判断で行われた」と説明している。
保護者からの相談で発覚し、学校側が児童への聞き取りなどで被害を確認した。発覚後に教諭は担任を離れ、「申し訳ない」と話しているという。
校長や教頭はこの教諭から「学級指導が困難」などと相談を受けていたが、体罰や暴言は把握していなかった。把握していた職員も数人いたが、報告しなかったという。
県教委の担当者は「組織的な対応がなされなかったことも今回の要因にあるだろうと、重く受け止めている」と話した。
県教委はほかに東信地区の中学校の男性教諭(55)を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分とし、発表した。男性教諭は昨年8月、私用で乗用車を運転中に対向車と衝突して同乗者にけがをさせたとして、自動車運転死傷処罰法違反などの罪で罰金50万円の略式命令を受けた。