宇宙航空研究開発機構(JAXA)は28日、1月に月面着陸した月探査機SLIM(スリム)との通信再開を断念したと発表した。約2週間続く零下170度の極寒の夜を生き延びる「越夜」をこれまで3回達成してきたSLIMは現在「休眠中」だが、搭載した機器が壊れた可能性がある。
JAXAによると、SLIMは4月23日に3度目の越夜が確認された後、休眠状態に入った。太陽光が太陽電池パネルに当たり復活するのは先週末ごろとみられていたが、通信は復旧しなかった。着陸地点が暗闇になるギリギリの27日夜も、地上からコマンドを送信したが返事がなかったという。
機器に不備が出ているのか、5月上旬に太陽表面で発生した爆発現象「太陽フレア」の影響があったのか、などはわかっていないという。JAXAによると、着陸から4カ月たち、大半の機器が設計の想定を超えて使用されているという。
ただ復活の望みは残っているといい、太陽電池パネルに再び太陽光が差し込む来月下旬に再起動を試みるという。
SLIMのプロジェクトチー…