米国ニューヨーク市からオンラインで取材に応じる弁護士の古屋コルテス恵美子さん

 移民によって建国された歴史を持つ米国が、排外主義の流れを受けて当選した2期目のトランプ大統領の下で大きく揺れている。「法の支配」や「デュープロセス」(適正手続き)そして法律家の「プロボノ」(公益活動)など、米国が長年にわたってはぐくみ、大切にしてきたはずの価値や制度がいまどうなっているのか。ニューヨークをベースに日々現場で活動する移民法専門の米国弁護士、古屋コルテス恵美子さんにオンラインで聞いた。

 20年以上、米国で移民などの人道問題に取り組んでいます。第1次トランプ政権も移民排斥を掲げてはいましたが、この1月からは信じられないような出来事が続いています。

 移民でできた米国は、法の支配やデュープロセス(適正手続き)を大切にしてきたはずです。いま起きていることは民主主義の根本を揺るがしているのでは、と心配しています。

 米国では「書類のない移民」、日本で「不法移民」と訳される滞在資格のない人々が1千万人以上暮らしています。そうした移民を大量に国外退去させるトランプ大統領の選挙公約を実現させようとしているのでしょうが、連邦政府の移民税関捜査局(ICE)が、人種や民族などで対象を絞り込む「プロファイリング」で国外追放しようとする事例が頻発しています。

 これまでICEは、学校、病…

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