日中韓外相会談が22日、東京都内で開かれた。隣国同士、隔たりも少なくない3カ国による枠組みの意義は何か。トランプ米政権の発足以降、国際秩序が揺れ動く中、日本はこの枠組みをどう活用していけばいいのか。国際政治学者で学習院大学教授の江藤名保子さんに聞いた。
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日中韓の枠組みは、日本と韓国が、大国である中国と認識を共有する場という意味がある。決して対決の場ではない。協力と抑止を促進する「日米韓」と、対話を中心とする「日中韓」という違いはあるものの、外交的にみれば「日米韓の次は日中韓」と言っていいくらい重要だ。
戦後80年近く続いたリベラルな国際秩序の時代は終わりを告げつつあり、人間の本能に近い現実主義がつよまっている。これは「常態」に戻ろうとしているとも言えるかもしれない。秩序の調整が必要な中、今我々が共有する価値観、ルール規範をどう残すのか。無政府状態、弱肉強食の世界にならないようにミドルパワーの国々が連携し、身を守るシステムをつくる必要がある。
台湾有事や尖閣諸島の問題も…