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福岡市の女性(56)が息子の試合観戦で訪れる予定だったシドニーの風景

 日本の新型パスポートが、オーストラリア政府が提供している査証(ビザ)申請アプリ上で不具合を起こしている問題で、豪州内務省は12日、取材に「問題の解決に向けて動いている」と回答した。豪州側は10日、日本の外務省に「48時間以内に回復する」と連絡していたが、12日午後時点でも不具合が続いている。

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 乗るはずだった飛行機が出発する時刻が過ぎ、福岡市の女性(56)は羽田空港内で座ったまま動けずにいた。「ひざから下に力が入らず、立ち上がることができないんです」。ラグビーの23歳以下日本代表の豪州遠征メンバーに選ばれた大学4年の息子の試合観戦のため、12日夜の便で娘(28)とシドニーに向かう予定だった。

 「サクラのジャージーに袖を通した息子の姿を見たい」と豪州への渡航を決め、旅行会社を通じて渡航費用など約50万円を支払ったという。

 観光や商用などで豪州を訪問する際は、「電子渡航許可(ETA)」と呼ばれるビザの取得が求められる。豪州政府が提供しているスマートフォン上のアプリでパスポート情報を読み込み、申請する必要がある。記者が3月に旧型パスポートで申請した際は、「72時間以内に結果通知が指定のメールアドレス宛てに通知されます」とのメールが届き、その直後に発行された。

 女性は3月末に新型パスポー…

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