21日に死去したローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇には、同性カップルの「祝福」を認めたことなどから、「リベラルな改革派」のイメージが強い一方、トップダウン型の意思決定が教会の分断を招いたとの批判もある。在位中の実績をどう評価するのか。次期教皇には何が求められるのか。ローマ教皇庁の日刊紙元編集長のジョバンニマリア・ビアンさんに聞いた。
――教皇は1月にバチカンの「省」のトップに女性を初起用するなど、伝統や慣例にとらわれない改革を進めたように見えます。12年の在位をどう見ますか。
2013年にフランシスコ教皇が就任した際、カトリック教会にはすでに改革派と保守派の間に分断がありました。教会内部の困難な状況にもかかわらず、フランシスコ教皇が就任当初から多様性に寛容な姿勢で改革を進めたことは革新的だったと思います。
しかし、在位期間の全体を見渡した時、改革の意思に比べて実現できたことは限定的だったと感じます。確かに女性の役割の拡大や同性カップルへの「祝福」は大きな成果です。ただ、教会が抱える最も深刻な問題の一つである聖職者による児童や信者らへの性的虐待の問題では、実態解明や防止策が進んだとは言いがたい。
――成果が限定的になった原因はどこにあるのでしょうか。
フランシスコ教皇に改革の意…