政府は26日、イスラエルの攻撃を受けるパレスチナ自治区ガザの戦闘で負傷したパレスチナ人1人を日本に受け入れ、自衛隊中央病院(東京都世田谷区)で治療を始めたと発表した。2023年10月のイスラム組織ハマスとイスラエルによる戦闘開始以降、日本が傷病者を受け入れるのは初めて。
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外務省によると、2人目のパレスチナ人も、近く日本に移送し、同様に受け入れて治療する予定。2人はいずれも女性で、ガザでの戦闘で負傷後、エジプトの病院に入院していた。治療後は現地に戻ることが前提で、日本での定住は目的にしていないという。
政府は、ガザの深刻な人道状況や世界保健機関(WHO)による要請、主要7カ国(G7)の一部のメンバーが傷病者を受け入れている状況などを踏まえ、今回の受け入れを決定した。石破茂首相は2月の衆院予算委員会で、ガザの住民について「病気、けがをした方々を日本に受け入れられないか、いま、鋭意努力をしている」と答弁していた。日本政府はこれまで、ロシアの侵略を受けるウクライナの負傷兵を、自衛隊中央病院などで受け入れている。