長崎市で9日に開催される平和祈念式典を米英などの駐日大使が欠席することについて、林芳正官房長官と上川陽子外相は8日の記者会見で、「式典は長崎市主催の行事で政府としてコメントする立場にはない」と繰り返し、政府としては式典をめぐる長崎市と米欧諸国との対立に距離を置く姿勢を示した。ただ、官邸幹部によると、政府は水面下で長崎市側に「外交問題になり得る」と懸念を伝えていたという。
林、上川両氏は8日のそれぞれの記者会見で、判で押したように4度、「コメントする立場にはない」と繰り返した。「式典に誰を招待するかは主催者である長崎市の判断」(林氏)との立場を強調した。
ただし、官邸幹部によると、式典へのイスラエルの招待見送りを検討する長崎市に対し、政府側は事前に「外交問題になり得る」などと懸念を伝達。こうした水面下の交渉は政府側から長崎市側にアプローチしたといい、この幹部は「被爆の実相を伝える意味でも多くの国に参加していただくべきだった」と語った。
政府内では「市が主義主張に…