サイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御(ACD)」の司令塔組織となる国家サイバー統括室が1日、発足した。5月に成立したACD法に基づいて政府の基本方針を策定するほか、2027年中をめどに始まるACDの本格運用に向けて政府内の体制を整備する。
ACDは、政府がネット上の通信情報を収集・分析し、サイバー攻撃の兆候があれば、警察と自衛隊が攻撃元のサーバーに侵入し無害化する新たな仕組み。統括室は、ACDの実行部隊となる警察や自衛隊など各省庁との連絡調整を担う。また、通信情報の分析や官民の情報共有に関する考え方などを定めた基本方針を策定する。
統括室は、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を改組した組織。トップの内閣サイバー官は事務次官級で、NISCの飯田陽一センター長代理が就いた。