政府が6月下旬に閣議決定する「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の原案が判明した。デフレからの完全脱却に向けて「政策を総動員して賃上げを後押しする」と強調。リスキリング(学び直し)の促進など労働市場改革を進めるため、「国民会議」の開催を検討する。
原案は大手企業を中心に33年ぶりの高水準の賃上げが実現したことに触れ、「デフレから完全に脱却し、成長型の経済を実現させる千載一遇の歴史的チャンスを迎えている」との認識を示した。そのうえで「日本経済を成長型の新たなステージへと移行させていくことが、経済財政運営の最重要課題」と位置づけ、「賃上げを起点とした所得と生産性の向上」がカギになると強調した。
物価高を上回る賃上げを定着させるため、国が決める公定価格で運営する医療機関や介護施設の賃上げを引き続き支援するほか、政府が昨夏示した「最低賃金の全国平均時給を2030年代半ばまでに1500円とする」目標についても、より早い達成を掲げた。企業の自動化・省力化投資などを支援して労働生産性の向上に取り組む。
政府は、労働者の仕事を成長…