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ロシア兵としてウクライナとの戦闘に参加したスリランカ人男性。左腕を負傷し、病院に搬送された=2024年7月20日、男性提供
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 政府に対するデモが拡大し、2年前に政権が崩壊したスリランカで、9月21日に大統領選挙が実施される。政変後初めての国政選挙を控え、デモの参加者や苦境にあえぐ人々は、何を思うのか?

  • 【当時のデモの様子はこちら】「薄氷の上に立っていた」スリランカ 生活苦にもがく市民の怒り

 最大都市コロンボ中心部の広場。日本で生まれ、7歳まで東京で育ったカスミ・ラナシンゲさん(28)は7月、雑草が生い茂るこの場所に2年ぶりにやってきた。

 「デモが激しかった時は、テントを張ってここに寝泊まりしていた」

 2022年春、スリランカはコロナ禍や失政が重なり、深刻な外貨不足に陥った。燃料となるガソリンやガスを輸入できなくなり、約10時間にも及ぶ停電が発生。給油に長蛇の列ができ、医療品も入手が難しくなった。

 政府はその年の4月、「他国からの借金の返済ができなくなった」として、債務不履行(デフォルト)を発表した。

 水をためる大きめのタンクがあったラナシンゲさんの自宅には、「水を分けて」と助けを求める住民が次々にやってきた。「住民が団結して声をあげるべきだと感じた」と当時を振り返る。

デモに参加、「後悔はない」と言う理由

 広場を拠点に、「大統領や首…

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