シリアとの国境に近いレバノンのバリエリアスで2024年12月8日、アサド政権の崩壊を祝うシリア人たち=AP

 シリアの反体制派は8日、首都ダマスカスに進攻し、「ダマスカスが解放された」と宣言しました。在英の反体制派NGO「シリア人権監視団」(SOHR)は同日、政権軍がダマスカス国際空港から撤退したと報告。ロシア外務省は、シリアのアサド大統領が辞任し、国外へ出たとしています。今後シリアや中東情勢はどうなっていくのか、現代シリア政治に詳しい東京外国語大の青山弘之教授に聞きました。

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 ――反体制派はアサド政権を崩壊させたと宣言しました。シリアはどうなっていくのでしょうか。

 アサド大統領が海外に逃げているとすれば、地中海沿岸部のロシア軍の海軍基地の処遇が気になります。すでに撤退が始まったとの情報もあるようですが、ロシアにとって地中海の軍事戦略上極めて重要な場所です。アサド政権の崩壊後、アサド政権に代わって統治する勢力がロシアの基地の存在を認めるのか。ロシア側が、親ロシアの勢力を動員するなどして基地を維持するのかどうか、ロシア側の動きにも注意が必要です。

 ――アサド政権崩壊後、シリアはどのように統治されるのでしょうか。

 現地の友人の話によると、反…

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