石破茂首相の所信表明演説に対する各党の代表質問が2日、衆院本会議で始まった。衆院選後、初の国会論戦で、政治改革や経済対策が焦点となった。企業・団体献金の禁止や、所得税がかかる年収の最低ライン「103万円の壁」の引き上げについて、首相は「各党と協議する」と繰り返し、具体策には踏み込まなかった。
- 企業献金の結論、来年以降に先送りへ 自民が第三者協議に委ねる方針
立憲民主党の野田佳彦代表が企業・団体献金の禁止を求めたのに対し、首相は「避けるべきなのは、献金によって政策がゆがめられることだ」と説明。透明性を高めることが重要だと強調した。
また、党から議員へ支出され使途公開の義務がない「政策活動費」について、首相は改めて「廃止する」とし、法改正にも言及した。ただし、党の支出について、「外交上の秘密、支出先のプライバシーに配慮すべき場合」には公開しない仕組みが必要だとした。政策活動費は自民の元幹事長が5年間で50億円を受け取るなど、その不透明さが問題となってきた。政党の支出がどこまで公開されるのかが、法改正の焦点になりそうだ。
また、国民民主党が求める「103万円の壁」の引き上げや、ガソリン減税についても首相は「各党で議論していただきたい」と語るにとどめた。
選択的夫婦別姓の導入について、首相就任前は前向きだったが首相はこの日、「国会の議論の動向を注視する」として賛否を明言しなかった。
企業・団体献金めぐり攻める野田氏、防戦一方の首相
「『信なくば立たず』の状況が、いつまでも続くのは、日本にとって大きなマイナスだ」
野田氏は質問の冒頭、10月の衆院選で与党が過半数割れしたのは、自民党派閥の裏金問題に対する「厳しい審判だ」と指摘。信頼回復に向け、年内にも政治資金規正法の抜本的な再改正を行うべきだと迫った。
自公が多数を頼みに押し切った6月の改正規正法では、その実効性の希薄さが指摘された。衆院選の結果を受けて再改正の機運が高まるなか、野田氏が「本丸」として狙いを定めるのが企業・団体献金の禁止だ。リクルート事件などを受けた1994年の政治改革から残された「30年来の宿題」とも呼ばれる。
全面禁止に向け「5年後に見…