18歳選挙権導入の当時、愛媛県教育委員会が県立高校に示した校則の変更例。届け出を必要とする項目に「選挙運動や政治的活動への参加」を追加する例だ
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 18歳選挙権が導入された2016年度、愛媛県立の全高校が校外での政治活動参加を事前に届け出るよう校則で義務づけた。この届け出制を、全65校(分校、中等教育学校、特別支援学校を含む)の半数超にあたる36校がすでに廃止したことが、各校や県教育委員会への取材でわかった。29校はまだ校則に残っているが、7校が廃止を検討中で、「時代に合っていない」との声もあった。

 実際に生徒から届け出があったかについては、県教委高校教育課は「これまで生徒から届け出があったかどうかは調査していないが、聞く限り例はない」としている。

 公職選挙法の改正で16年夏に選挙権年齢が18歳以上となるのを前に、愛媛県立の全高校が校則を改定し、届け出制を導入した。導入当時の教育長は「生徒が公職選挙法違反に巻き込まれないよう、生徒を守る観点から各校が導入した」と説明。有識者からは「高校生の政治活動を萎縮させる」と批判を受けていた。

廃止した学校、その理由とは

 今年4月、宇和島市にある宇…

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