Smiley face
写真・図版
参政党の代表の演説に、多くの聴衆が集まった=2025年7月19日、柏駅前、熊谷姿慧撮影

 参院選では参政党が掲げた「日本人ファースト」が、多くの人を引きつけた。千葉県内でもその傾向は見られ、他党も「外国人問題」への主張を展開するなど、選挙戦に一定の影響を及ぼした。

 千葉選挙区(改選数3)では参政党の新顔候補は落選したものの、3位当選の自民党現職に僅差(きんさ)まで迫る勢いを見せた。参政党の参院選での県内の比例票は約36万5千票で、昨秋の衆院選での県内の比例票から4倍弱まで伸ばした。

 原動力の一つとなったのが「日本人ファースト」の主張だ。

「今回初めて政治に関心持った」

 選挙期間中、柏駅前で参政党の候補者らの街頭演説を聞いていた会社員の女性(24)は「参政党に投票する」と話した。これまで親に言われるがまま自民党などに投票していたが「今回初めて政治に関心を持ち、自分で考えて投票することにした」。

 勤務先の窓口では日本語も英語も通じない外国人の相手をすることが多く、うまくコミュニケーションをとれないことがストレスだった。そんな時、参政党を知り、「外国人は税金が優遇されているとSNSで見た。うそか本当か分からないけれど、嫌だなと。平等に、日本人のために使って欲しい」と話した。

 松戸駅前で国民民主党の候補者らの演説を熱心に聞いていた会社員の男性(29)は演説終了後、党幹部や候補者と写真を撮った。昨秋の衆院選で比例区は国民民主党に投票した。だが今回は「参政党と悩んでいる」と明かした。

 「手取りを増やす」という国民民主党の一貫した主張は気に入っている。一方で、参政党の「日本人ファースト」も魅力的だという。外国人が増え、電車内や車の運転のマナーが気になっていた。さらにSNSなどで得た情報から、今の日本は「外国人ファースト」だと感じたためだ。

 選挙期間中、県内各地で有権者に話を聞くと、参政党の主張は、自民支持層だけでなく、国民民主党などの支持者や、政治に無関心な層まで引きつけていた。こうした動きを受け、外国人をめぐって主張を訴える党も出始めるなど、「外国人政策」が争点として浮上した。

「マスコミがあおっているだけ」のはずが

 「有権者はそんなバカじゃな…

共有