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オリックスのシニア・チェアマン 宮内義彦さん
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 俳優や作家、経営者など各界の皆さんにお薦めの本を紹介していただく特集「あなたに贈る本」。オリックスのシニア・チェアマン、宮内義彦さんは戦争が終わった時、国民学校4年生(当時)でした。戦後80年を迎えた今、若い世代に読書を通じて現代史を学んでほしいと訴えます。

 最後に、宮内義彦さんが戦後80年や読書について語るインタビュー動画配信のお知らせと8月15日応募締め切りのお薦め本プレゼント(抽選)の案内があります。

特集「あなたに贈る本」

 敗戦時は、今で言えば小学4年生(当時は国民学校初等科4年生)。夏休みを挟んで世の中がすっかり変わり、子供心にも社会や権威に対する不信感が芽生えたのもやむを得なかったでしょう。国民は今日の食べ物を確保するのに必死で、餓死する人もいました。高級住宅に駐留する進駐軍を横目に見ながらの復興の日々が始まりました。

 大学3年生のときに大病を患い、自宅療養を余儀なくされました。読書と音楽鑑賞しかすることがないのです。当時は小説ばかりでしたが、それがきっかけで読書が習慣づいたと思います。今89歳なので約70年間、数え切れないほどの本を読みました。私の中では読書は趣味ではなく習慣ですね。

 本は読めば読むほど「学び」につながり、人生を豊かにします。でも、この年齢になってもまだ知らないことばかりです。それがまた面白い。「もっと知りたい」「追究したい」の思いに駆られ、好奇心が湧いてきます。「本を読まなきゃ」と強制するのでなく習慣づけると、いつの間にか知識が蓄積され、日常がより楽しくなります。

 私はいつも2、3冊を手元に…

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