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【イラスト】敗血症とは

 和歌山県の岸本周平知事(68)が「敗血症性ショック」で亡くなりました。「敗血症」の原因や症状はどんなものなのでしょうか。朝日新聞のアーカイブ記事を、データを一部更新してお届けします。

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 敗血症の原因は、皮膚や肺、腸など、体の一部で病原体が繁殖する感染症です。多くは、薬や人が持つ生体防御機能で徐々によくなります。例えば、発熱で病原体の増殖を抑えたり、免疫で病原体を攻撃したりします。

 ところがこの機能が壊れて、感染への過剰な生体反応が、さまざまな組織や臓器に障害を引き起こし、命が脅かされるような状態になる場合があります。これが敗血症です。ショック症状や、多くの臓器が障害される「多臓器不全」から死に至ることもあります。

 世界中で、年間の発症者は4700万~5千万人、年間約1100万人以上が亡くなっているともいわれています。死因全体で見ても、5人に1人の死因が敗血症とされています。日本でも推定で年間10万人ほどが亡くなっているといいます。

 原因となる感染の背景として、発展途上国では、不衛生な環境や栄養不足、治療の遅れが主な原因とされています。一方、これらの問題が比較的少ない先進国では、免疫機能が低下する、高齢者の敗血症が心配されています。

 免疫の中には、様々な異物を…

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