岐阜地方裁判所

 岐阜県各務原市の小学校で児童の下着に手を入れて尻を触ったなどとして、不同意わいせつなどの罪に問われた元教諭の男(60)=懲戒免職=に対する判決公判が23日、岐阜地裁であった。

 戸崎涼子裁判官は「教え子に対し、教員という関係性を悪用した卑劣で悪質な犯罪」として、懲役3年執行猶予5年(求刑懲役3年6カ月)を言い渡した。

 判決によると、元教諭は2022年12月13~24日ごろに8歳の児童に対して、今年2月1日ごろには9歳の児童に対し、教室で下着に手を入れてわいせつな行為をした。

 戸崎裁判官は、「被害者の精神的苦痛は大きく、今後の成長に与える悪影響も懸念される」と指摘。「くすぐるなどの身体接触をするうちに性的欲求が生じてしまったとの趣旨を述べているが、そもそもすべきではなかったし、校長らからも再三児童への身体接触をしてはいけない旨の注意を受けており、酌量の余地はない」などと断じた。

 一方で量刑については「約37年間務めた教職を懲戒免職となるなど、一定の社会的制裁を受けたと言える」などと説明した。

 元教諭は発覚後の7月24日付で懲役免職になっている。県教育委員会は元教諭の名前を「被害者保護の観点から差し控える」として発表せず、公判も明らかにしていない。(高原敦)

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