フランシスコ教皇がかぶっていた帽子を見せるランセロッチ神父(左)と、触れるホームレスの人々=2025年4月22日午前、ブラジル・サンパウロ、河崎優子撮影

 26日に葬儀が行われるローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は、初めて中南米から選ばれた教皇だった。貧困率の高いアルゼンチンの出身で、貧しい人や弱者に寄り添う姿勢で人々の信頼を得てきた。教皇にゆかりのある各地で、悲しみが広がっている。

 世界一カトリック教徒が多いブラジル。サンパウロ中心部には、教皇の名前にちなんでつけられた「フランシスコ教皇の診療所」がある。

 教会が運営し、無料で診察が受けられる。教皇が亡くなった翌日の22日、インフルエンザの無料ワクチン接種を受けるため、ホームレスの男性らが列をなしていた。

 教皇と交流のあったサンパウロ大司教区のジュリオ・ランセロッチ神父(76)はこの日、教皇がかつてかぶっていた白い帽子を市民に見せた。透明なケースに大切に入れられた帽子を、神父がケースごと掲げて見せると、皆が次々に手を伸ばしてケースに触れようとした。

 アドリアノ・オリベイラさん…

共有
Exit mobile version