次の学習指導要領を議論している中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の特別部会が5日、その全体の方向性をまとめた。
学校や子どもの多様化に対応できる「柔軟な教育課程」を促すことや、デジタル社会にあわせた教育を拡充することが柱。今後、各教科やテーマ別の議論に移り、来夏ごろまでにまとめる。
- 「日々精いっぱい」「裁量ありがたい」 学習指導要領の議論、先生は
学習指導要領は国が定める教育課程の最低限の基準。学年や教科ごとに学びの目標や教えるべき内容の大枠を示す。これを基に教科書が作られ、授業が進められる。約10年ごとに改訂されてきた。
今回は、昨年12月に阿部俊子文科相が中教審に諮問し、議論が始まった。5日は、ここまでの議論の「論点整理」の素案を文科省側が示し、特別部会でおおむね了承される見込みだ。
情報教育も拡充、中学で「情報・技術科(仮称)」新設
柔軟化は、子どもや学校の特性や背景の多様化にあわせる狙いがある。例えば、不登校の小中学生は約34万6千人、日本語指導が必要な小中高生は約6万9千人に上る(いずれも2023年度)。
柔軟化の具体策としては、国が示した全体の授業時数は守りつつ、教科ごとの授業時数を各校の判断で減らせる仕組みが挙げられた。それによって生まれた時間を、各校の課題に対応した時間にあてる想定だ。
不登校の子らに応じて学習計画や評価を作れる仕組みも検討されている。
また、情報モラルや活用能力を身につける情報教育を拡充する。中学の「技術・家庭科」を「情報・技術科(仮称)」と「家庭科」に分けたり、小学校の「総合的な学習の時間」に「情報の領域(仮称)」を新設したりする方針だ。
新指導要領に基づく授業は、小学校が2030年度、中学が31年度、高校が32年度以降に始まる見込み。
柔軟化で、どう変わる?
議論されている次の学習指導…