【動画】敦賀原発2号機=野津賢治撮影
原子力規制委員会は13日、日本原子力発電の敦賀原発2号機(福井県)について、直下の活断層が否定できないとして、新規制基準に適合しないとする審査書を決定した。再稼働に向けた原電の申請は正式に不許可になった。
新規制基準では、約12万~13万年前以降に活動した可能性が否定できない断層を活断層とみなし、その上で原子炉などの重要施設を運転することを認めていない。
敦賀2号機は、10年以上前から原子炉の直下に活断層がある可能性が指摘されてきた。今回の審査でも、原子炉建屋の直下を通る断層が、活断層かどうかが最大の焦点となった。
原電は、敷地内で行った地質調査などから「活断層ではない」と主張してきた。だが、規制委は原電のデータは「科学的根拠が乏しい」とし、活断層の可能性は否定できないと判断した。
8月末に、新規制基準に適合しないとする審査書案を了承。30日間の意見募集を経てこの日、正式に不許可の決定をした。
これまで再稼働に向けた審査を規制委に申請した原発は27基あり、このうち17基が新規制基準に適合すると認められ、許可された。不許可は敦賀原発2号機が初めて。
不許可を受けて、原電は廃炉の判断を迫られるが、制度上は再稼働に向けた審査を再び申請することができる。原電は「引き続き再稼働を目指す方針に変わりはない」としている。(矢田文)