Smiley face

 2024年11月24日だった。

 仙台市青葉区の須藤祥子さん(41)は、かかりつけの動物病院の受付に、ネコの「禄(ろく)」を預けた。お昼休みの時間帯で、他の利用者はほとんどいない。

 しばらくして処置室に入ると、禄が運ばれてきた。静脈に針が刺さり、あとは麻酔薬を入れるだけの状態だ。

 獣医師が聞く。「大丈夫ですか」

 「はい」と答えた。

 禄の顔をなでながら、おなかをさすりながら、何度も話しかけた。

 ありがとう――。

 がんばったね――。

 お別れの時が迫っていた。

授かった出会い、だから名前は「禄」

 禄との出会いは、その2年前…

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