韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が4日、罷免(ひめん)された。憲法裁判所は、尹氏が昨年12月に出した「非常戒厳」が「憲政秩序を侵害した」と断じた。未曽有の混乱の末、韓国はこれから次期指導者を選ぶ大統領選に向かう。だが、深く刻まれた分断が韓国社会に影を落とす。
4日、憲法裁判所付近は暴動を警戒し、道路の両側に警察車両がすき間なく配置される厳戒態勢が敷かれた。聯合ニュースによると、警察はソウルに機動隊約1万4千人を投入。尹氏罷免の決定後、支持者の1人が警察車両の窓を割り、拘束された。
「私たちの勝利だ」「祝杯を挙げよう」。尹氏弾劾(だんがい)の賛成派が大挙した集会には高揚感が漂っていた。
ソウル市内の80代の夫婦は「生涯、決して忘れることはない」と言った。「午前11時22分」という罷免の宣告時刻を口にした途端、感極まったように涙を流した。尹氏による非常戒厳に「言葉で言い表せない憤怒があった」という。「尹氏が起こしたような暴挙を二度と繰り返させてはいけない」
一方、尹氏の支持者らの表情には怒りがみなぎっていた。「選挙だけじゃない。裁判官まで不正じゃないか。この国はどうかしている」。同市内の70代の女性は、憲法裁の中で保守派とされた裁判官も含め、全員一致の罷免だったことが許せない様子だった。「大統領選でまた不正が起きるかもしれない。そうはさせない」
韓国では北朝鮮への姿勢などを軸に保守と進歩(革新)が争い、社会の分断につながる土壌がある。そうした伝統的な理念対立に加え、尹氏の罷免をめぐり互いへの敵対感情が先鋭化。分断は若い世代にも広がっている。
賛成と反対で割れる若者たち
非常戒厳以降、若い世代も毎…