ポスター掲示場の設営も進んでいる=2024年10月11日午前11時2分、前橋市大手町2丁目、高木智子撮影

 15日公示、27日投開票の衆院選は、解散翌日から公示前日までわずか5日間という短さで迎える。各市町村は準備に追われているが、投票会場を確保するため中止を余儀なくされるイベントがあるほか、投票所入場券の配達が期日前投票が始まる16日に間に合わない見込みの地域も出てきている。

 群馬県前橋市青梨子町の清里公民館(市民サービスセンター)では、26日に地区の文化祭が予定されていたが、21日から26日まで公民館が期日前投票の会場になるため中止となった。小規模な公民館のため他の部屋の確保ができず、日程変更も現実的ではなかったという。

 文化祭では、伝統的な獅子舞をはじめ、詩吟やフラダンス、八木節、だんべえ踊りなどを舞台で披露するほか、陶芸、着物のリメイク、書道、写真などの展示も予定していた。住民が打ち込んできた文化活動の成果を発表する場で、近くの福祉施設の入所者がつくる貼り絵や手工芸品などの作品も展示予定だった。

 担当者は「残念だけれど、いっぺんに二つは開催できないから。秋は文化イベントやおまつりがいっぱいで別日程もおさえにくい。やむを得ず中止となった」。前橋市内では、ほか2カ所の公民館で文化祭の日程が変更となったという。

 高崎市の上郊(かみさと)地域では27日、「かみさと地域づくりフェスティバル」を上郊小学校の体育館で開く予定だった。しかし同じ27日に体育館が投票所になるため、この日の実施は見送るという。フェスティバルを開く区長らが投票の立会人になることもあり、人手の確保も難しかったという。

 フェスティバルは公民館で芸能活動やサークル活動をしている人たちの発表の場で、昨年は350人が参加。絵手紙やペン字などの発表、沖縄の三線(さんしん)や八木節も披露される計画だった。ステージにあがる予定だった女性は「楽しみに練習していたのに……」と残念がった。

 会場確保に苦しむのは県選管も同様だ。当選証書の付与式は、登録有形文化財で格式がある県庁の昭和庁舎を使うことが多いが、付与式が予定されている29日には先約が入っており、会場を別の会議室にした。「先約にどいてもらうまでの対応はせず、空いているところで最も適切な場所を選んだ」としている。(高木智子)

 投票所入場券の準備にも影響…

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