(19日、第107回全国高校野球選手権栃木大会3回戦 文星芸大付2―1白鷗大足利)
一昨年優勝の文星芸大付と昨春関東王者の白鷗大足利。3回戦では早すぎる強豪の激突は、1点を争う好試合になった。両校とも昨年はプロ注目の絶対的エースがいた。今年は彼らのような大黒柱はいない。投手陣をどのように起用するかが、勝敗のポイントのひとつだった。
文星芸大付は、左腕の津久井雷仁(2年)が先発し、五回途中から神永航希(3年)が救援した。ともに初戦は登板せず、この試合に向けて準備していた。ともにストライク先行の投球で、与えた四死球はゼロ。想定通りのロースコアの展開に持ち込んだ。
攻撃も、強打のイメージが強い例年の打線とはひと味違った攻め方も見せた。初回に適時打を放って先取点を挙げていた4番佐藤駿稀(3年)が、六回の無死一塁で送りバントをした。「どのような攻めを相手が嫌がるかを考えた」(高根沢力監督)。流れを読んだ攻めが、九回、蛭田詩音(1年)の勝ち越し適時打につながった。
有力校との対戦が続く組み合わせ。だが、主将の坂本亘(3年)は「思い切って試合ができる」。前向きな気持ちが強さにつながっている。