「誘拐の日」第4話から。七瀬凛(永尾柚乃)は新庄政宗(斎藤工)の髪を切りながら、不器用に思いを伝える

「撮影5分前」テレビ朝日プロデューサー・峰島あゆみ

 誘拐犯である新庄政宗(斎藤工)と、誘拐された天才少女である七瀬凛(永尾柚乃)。ドラマ「誘拐の日」(火曜夜9時)は、異色のバディが事件の真相を追う逃亡劇だ。

 心臓病の娘の手術費用のために、政宗は身代金目的で裕福な病院長の娘である凛を誘拐する。ところが彼女の両親は何者かに殺されてしまった。誘拐だけでなく殺人の容疑までかけられる政宗と、驚異的な知能をもつ凛が真相を突き止めていく。

 第4話(7月29日放送)では、共に逃げてきた2人が一度は別れを決意した。政宗の髪を切りながら、凛は不器用に思いを伝える。実は髪を切ることは当初想定になく、斎藤さんの発案だった。結果的に、親子の別れを思わせるような印象的で切ないシーンになった。

 政宗は善良だがまぬけで失敗ばかり。一方で大人たちから特別扱いされてきた凛は愛情を知らない。互いに足りないものを補い合いながら、いつしか本当の親子のようになっていく。もちろんいつか別れはやって来るのだが…。このドラマは殺人事件や凛の秘密を明らかにしていくミステリーでありながら、「親子」のヒューマンドラマでもある。

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