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記者会見する兵庫県の斎藤元彦知事=2025年6月4日午後3時2分、兵庫県庁、中塚久美子撮影
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 兵庫県の斎藤元彦知事らを内部告発した元西播磨県民局長(故人)の私的情報を県議に漏洩(ろうえい)した前総務部長について、斎藤知事は4日の定例記者会見で「刑事告発は必要ない」と述べ、従来の方針を変えない考えを示した。

 県議会最大会派の自民党、第2会派・維新の会、第3会派・公明党、立憲民主党の県議らでつくる第4会派・ひょうご県民連合の4会派が3日、地方公務員法の守秘義務違反の疑いで前総務部長を刑事告発するよう県に文書で申し入れていた。自民の谷口俊介幹事長は3日、「(公務員が)職務を行うことで犯罪があると思料するときは、告発しなければならない」との規定が刑事訴訟法にあることから、「県はその趣旨に従うべきだ」と語っていた。

 斎藤知事は4日午後の会見で、「申し入れは大変重く受け止める」としつつ、刑事訴訟法の規定について「告発するかはあくまで自治体の判断が一定あるという確認も弁護士などにしている」と述べた。前総務部長は停職3カ月の懲戒処分で「社会的、経済的制裁を受けている」とし、刑事告発を改めて否定した。

 斎藤知事は4日午前にも報道陣の取材に応じ、「(議会の)申し入れは真摯(しんし)に受け止める」「刑事告発はしないという判断に変わりはない」「懲戒処分を受けて社会的制裁を受けているという状況などを踏まえた」などと語っていた。

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