兵庫県議会9月定例会で発言する斎藤元彦知事=2025年9月18日午前11時17分、神戸市中央区、大山貴世撮影

 兵庫県議会の9月定例会が18日、開会した。斎藤元彦知事への不信任決議から19日で1年。知事選で再選された斎藤知事に対し、第三者委員会は内部告発文書に関する対応を「違法」と指摘。一部の会派は「もう一度不信任案を」と言うが、こうした姿勢は広がっていない。今回、議会はどう動くのか。

「もう一度不信任案を出すしか」「捜査が終わらないことには…」

 「最終的にはもう一度不信任案を出すしかない」。立憲民主党の県議らでつくる「ひょうご県民連合」(8人)の上野英一幹事長は今月5日、県執行部への政策提言を終え、記者団にこう語った。

 共産党(2人)も知事の辞職を求めているが、定数86(欠員3)の県議会内では少数派だ。

兵庫県議会9月定例会を傍聴するため、抽選に並ぶ人たち=2025年9月18日午前10時8分、神戸市中央区、大山貴世撮影

 斎藤知事は、昨年の知事選での公職選挙法違反(買収など)の疑いや、告発者の私的情報の漏洩(ろうえい)を巡る地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで刑事告発され、警察・検察が捜査を進めている。斎藤知事はいずれの容疑も否定している。

 最大会派・自民党(36人)の幹部は「捜査が終わらないことには、どうもこうもできない」と強調。第3会派・公明党(13人)の幹部は、捜査結果を待った上で「知事が何らか総括的に責任を負うスタンスを示さないと収拾がつかない」と言う。

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 第2会派・維新の会(18人)の幹部は「(斎藤知事は)出直し選で再選された。言ってもきりがない」などとして、6月定例会に続き、9月定例会の代表質問でも告発文書問題は取り上げない方針だ。

 1年前の9月19日、県議会は斎藤知事の不信任を全会一致で可決した。

1年前の不信任「長期的な視点、欠けていた」

 当時、告発文書問題に関する県議会の調査特別委員会(百条委員会)は、まだ調査の途中だった。

 斎藤知事が百条委の証人尋問…

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