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ミャンマー中部マンダレーで2025年3月30日、大型マンション「スカイビラ」の倒壊現場で救助活動に当たる人たち=笠原真撮影

 ミャンマー中部を震源とするマグニチュード(M)7.7の地震は、発生から1週間をすぎても人的被害の拡大が続く。現地で都市防災に取り組もうとしていた日本人研究者は、活断層に沿って置かれた都市に加え、不十分な耐震への備え、という双方の要因が被害の拡大につながったと指摘する。

 現地では多くの建物が倒壊し、4日時点で死者は3千人に達した。米地質調査所(USGS)は、死者が1万人を超える可能性があると予測する。

 今回の震源となったザガイン断層は、ミャンマー国内を南北約1200キロにわたり縦断する断層で、過去にも規模の大きな地震を繰り返してきた。活動度から「世界第一級の活断層」とされ、首都ネピドーや第二の都市マンダレー、第一の都市ヤンゴンなど主要都市が断層に沿うように置かれている。

 「活動周期も比較的短い断層で、主要都市が断層に近い。大都市部で被害が起こる可能性が高いと危惧していた」と、京都大学防災研究所の松島信一教授(地震工学)は話す。

 規模の大きな地震に見舞われ…

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