能登半島地震における自衛隊の災害派遣が今月23日で175日間となり、東日本大震災を超えて震災では過去最長となる見通しとなった。入浴支援が長期化しているのが要因という。
石川県珠洲市では、4カ所で自衛隊による入浴支援が続いている。
同市蛸島町では3年前まで営業していた温泉施設の駐車場に自衛隊が入浴用のテントを設けた。壊れた自宅で暮らす被災者や、隣接する仮設住宅の住民、近くのオートキャンプ場で寝泊まりする災害ボランティアらが通う。
市内の工場で働く宮野悠希さん(28)は5キロほど離れた自宅からほぼ毎日訪れる。両親と暮らす家は全壊を免れ、井戸水もあるが、給湯器が壊れたまま。修理業者のめどが立たず、シャワーも使えないという。「仕事終わりに少しほっとできる時間。また明日も頑張ろうかなと思える」
約60人が避難を続ける市立宝立小中学校でも、自衛隊が入浴支援を続ける。
自宅が全壊し、学校のグラウンドにある仮設住宅で1人で暮らす宮腰千鶴さん(75)も毎日通う一人。仮設住宅にも小さな浴室があるが、ひざが悪くて入れない。他の住民らと一緒になる入浴支援は「おしゃべりもできる貴重な社交の場」だといい、「ゆっくり足を伸ばせて、少しずつ具合もよくなってきた」と喜ぶ。
珠洲市の水道の被害は、他の被災地と比べて飛び抜けて大きかった。水道管1キロのうち何カ所で損傷が見つかったかを示す被害率は4月時点で2・09で、輪島市の1・03、穴水町の0・89に比べて2倍以上。東日本大震災では宮城県涌谷町の0・36が最高だった。
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