奈良県立医科大の新キャンパスが、同県橿原市四条町に完成した。大和三山の一つ、畝傍山(うねびやま)のすぐ北側にあることから名称は「畝傍山キャンパス」と決まり、4月から医学科の教養教育部門と看護学科の学生ら約500人が学ぶ。
新キャンパスは、現キャンパス(約10万4千平方メートル)の施設の老朽化が進み手狭にもなったことから、南西に約1キロ離れた旧県農業研究開発センターの跡地(約11万6550平方メートル)で整備が進められていた。総事業費は約209億円。
新キャンパスは、いずれも3階建ての「講堂図書棟」(延べ床面積約5800平方メートル)、「講義棟」(同約9100平方メートル)、「実習研究棟」(同約9200平方メートル)、「体育施設棟」(同約4300平方メートル)の4棟からなる。かつての藤原京(694~710年)の中に位置するという歴史的背景から、大極殿など中枢の建築物になぞらえた配置にし、外観も和風。各棟は回廊でつながっている。
講堂図書棟は式典などで使う定員600人の講堂と図書館を備える。講義棟には250人が座れる「医看合同講義室」、体育施設棟はアリーナや武道場、弓道場などがあり、憩いの広場などゆったりできるスペースも多い。
現キャンパスは「教育」「研究」「診療」がすべて集中して立地している。今回完成した新キャンパスは「先行整備」とされ、今後、研究施設なども整備移転する方向で検討が進められている。
13日に完成式典が開かれ、細井裕司学長は「新たな環境のもと、より高度な医療人材の育成に努めたい」とあいさつ。山下真知事らとテープカットをして祝った。