4年前の4月、東京都世田谷区に「Cafe B13(カフェ ビージュウサン)」がオープンした。
1人で切り盛りしているのが、アドバンスド・コーヒーマイスターの資格を持つ田代正夫さん(34)。
オープンするにあたって、「田代珈琲(コーヒー)」「喫茶田代」といった店名も検討したが、B13に決めた。
その由来について、ホームページでこう説明している。
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B13とは、店主がドナー待ちをしていたB棟13階(通称B13)からもらった名です。
今、元気でいられるのも、B13のスタッフを始め、医療従事者の皆様のおかげですので、感謝を忘れないために名前を頂きました。
体が元気なうちにやりたいことをやろうと思い始めたこのカフェ。
お客様にここの珈琲はおいしいと思っていただけるよう日々精進していますので、ぜひ1回、当店の珈琲を飲んでみてください。
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19歳の時に拡張型心筋症と診断され、補助人工心臓をつけていた田代さん。
大学病院のB棟13階で2年9カ月間ドナーを待ち、22歳の時に心臓移植手術を受けた。
あれから12年。朝夜の免疫抑制剤は欠かせないが、不自由なく生活を送ることができている。
今年5月の中旬、ランチタイムで慌ただしく動いていた田代さんのスマホが鳴った。
かけてきたのは、B13でお…