4月にプロ初白星を挙げたときの阪神・伊原陵人=米田怜央撮影

 (6月1日、プロ野球 阪神タイガース8―0広島東洋カープ)

 流れをしっかりつかんだ阪神が、両リーグ最速で30勝目に到達した。勝ち越し数は今季最多の「10」まで伸びた。

 新人左腕の伊原陵人が好投した。先頭打者の出塁を許さず、七回のマウンドに立つまで被安打1と抜群の安定感を見せた。

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 「投げやすい状態で投げさせてもらった」と伊原。参考にしたのは、前日まで広島相手に2連勝を飾った村上頌樹、大竹耕太郎の投球だ。先輩2人が見せたような、緩急を使って打たせて取るピッチングを心がけた。

 一回のマウンドに立つ前には、同い年の森下翔太が先制の2ランを放った。「最初にガツンと打ってくれて、気持ちよくマウンドに上がることが出来た。バックもしっかり守ってもらったので、感謝です」。6回3分の1を投げて今季4勝目。先発した広島戦は3戦3勝と相性の良さも際立つ。

 身長170センチの左腕にとって、今後の課題ははっきりしている。まだ七回を投げきったことがない。この日は1死から連打を浴びたところで湯浅京己にマウンドを譲った。「僕がランナーをためると湯浅さんに出てきてもらっている。本当に申し訳ない」。先発の柱の一人としての自覚が芽生えつつある。

 チームは3年連続でセ・リーグ首位として交流戦を迎える。伊原自身にとっては初の舞台。「このまま調子を崩さず、一生懸命投げるだけ」と意気込んだ。

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