自走式大型収穫機を使って、ポテトチップスなどに加工されるジャガイモが収穫された。収穫機の上では作業員がベルトコンベヤーで流れてくるイモの中から茎や異物を取り除く作業にあたった=2024年9月5日午前10時59分、北海道帯広市

 国内屈指のジャガイモの産地・北海道十勝地方で、収穫作業が本格化している。

 帯広市以平町にあるカルビーポテトの契約農家の畑では5日、大型ダンプより大きい自走式ポテトハーベスター(収穫機)2台が、ひっきりなしに畑を行き来して、ポテトチップスの原料となる「トヨシロ」などの収穫にあたっていた。

 この自走式ポテトハーベスターは、2畝(うね)同時にイモを掘り起こす。4・5ヘクタールと広大な畑でも1日ほどで収穫を終えられるという。一般的なハーベスターでは5日ほどかかっていた。

 収穫したジャガイモは、大型ダンプに移し替えられ、近くの幕別町にある冷却装置などを備えた巨大貯蔵庫に運ばれた。順次、本州などの工場に送られ、ポテトチップスや「じゃがりこ」などに加工される。

 この日は、収穫式のセレモニーも開かれた。同地区を管轄するJA幕別町カルビーポテト生産組合長の橋詰仁さん(63)は「今年は7月下旬までまとまった雨がなく、生育を心配したが、何とか平年並の収穫ができそうだ」。カルビーポテトの田崎一也社長も「直近の試し掘りの結果、『順調』との結果が出ており、大豊作だった昨年に引き続き、大いに期待していただきたい」と話した。

 同社の幕別支所管内では今年約1万5千トンの収穫を予定している。収穫作業は10月上旬まで続く。(中沢滋人)

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