桜や桃の花が咲き誇るなか、山梨県内の多くの小中学校で5日、入学式があった。山間部の小規模校でも新入生の元気な声が響いた。
北岳のふもとにある南アルプス市立芦安小学校では、前年より2人多い新入生6人を迎えた。
6人は在校児童や保護者らの拍手で迎えられ、やや緊張した表情で入場。根津盛吾校長は「三つのお願い。あいさつ なかよく たいせつにしよう命を。略してあなたです」とあいさつした。児童会長の新津春翔さん(6年)は「豊かな自然に囲まれ楽しい行事がたくさんあります。困ったことがあれば、何でも聞いて下さい」と呼びかけた。
同校は学校林の整備や北岳登山など独自の「山岳教育」を続け、市内全域から児童を受け入れている。全校児童28人のうち新入生3人を含む11人が学区外からの通学だ。10キロほど離れた市街地から通う新入生の保護者の1人は「自然が好きな子で、学校の雰囲気も気に入ったことで選んだ。楽しく学んでほしい」と話した。
県教育委員会によると、入学式のピークは5日で、公立小学校165校中79校、公立中学校79校中40校に及ぶ。今年度の新入生は中学校約6100人、小学校は600人ほど少ない約5500人と、少子化が進んでおり、早川町の早川北小、山梨市の岩手小の2校は、新入生がおらず、入学式は行われない。(米沢信義)