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 道民に愛されている飲食店の味を商品化する「食の北海道遺産プロジェクト」が話題だ。コロナ禍で多くの店が営業自粛を余儀なくされた2021年、「名店の味を未来でも食べられる『遺産』にしたい」とドラッグストア北海道内大手のサツドラが中心になって始めた。17日に発売する新作は、JR札幌駅前で半世紀にわたって親しまれてきたセンチュリーロイヤルホテルの回転レストラン「ロンド」の味だ。

 ホテルで限定販売されるのは「スパゲッティ センチュリー風」のソース(40グラム、4袋入り)と、冷凍ジャガイモのポタージュ「ヴィシソワーズ」のレトルト食品(80グラム、4袋入り)。価格はいずれも税込み1080円。

パッケージ組み合わせると

 スパゲッティは1973年のホテル開業当初からの人気メニュー。金子厚・総料理長と食品メーカーが協力して商品化した。パッケージにもこだわり、ポタージュの箱にソースの容器を載せると、最上階に回転レストランがあるホテルの外観になる。両品とも現在は提供しておらず、ファンにとっては貴重な味の再現となる。ホテルは5月末で閉店するが、金子さんは「長年愛されてきた名物メニューをご自宅でも気軽に楽しんでほしい」と話す。ホテルは限定個数に達し次第、販売を終了する。サツドラの一部店舗でも販売する。

 商品化する「食の遺産」は、店の経営者やファンからの推薦などを踏まえて決めている。中華料理店「布袋」のザンギカレー炒飯の素▽カレー店「クロック」のビーフカレーのレトルト▽ハンバーグ店「ノースコンチネント」のハンバーグの素▽スープカレー専門店「UNBALLON」のチキンレッグスープカレーのレトルト▽「黒岩咖哩飯店」の黒辛カレーのレトルト▽「ごまそば八雲」のそばつゆ(以上すべて札幌市)▽利尻ラーメン「味楽」(利尻町)の母さんが作った味楽のカレーのレトルトなどの計7品が商品化されている。「昔からのファンのほか、商品をきっかけに店を訪れたケースもある」という。(日浦統)

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