今年から交付が始まった日本の新型パスポートが、オーストラリア政府が提供している査証(ビザ)申請アプリ上で不具合を起こしていることが分かった。外務省にも複数の相談が寄せられているという。
豪州政府関係者によると、不具合が起きているのは、観光や商用などで豪州を訪問する際に取得が求められている「電子渡航許可(ETA)」と呼ばれるビザ。豪州政府が提供しているスマートフォン上のアプリでパスポート情報を読み込み、申請する必要がある。
外務省関係者によると、7日に「ビザ申請ができない」と申請希望者から同省に連絡があり、その後も複数の相談が寄せられているという。同省から豪州側に事態を伝えたところ、10日になって「48時間以内に回復する」との連絡があったという。
3月から交付が始まった新型パスポートは、顔写真のあるページが、ICチップが埋め込まれたプラスチック製に変更されている。
今週豪州に渡航予定で、ビザを申請できない状態が続いているという女性は取材に、「関係しそうな場所に電話し続けたが、明確な説明は受けられなかった。そもそも不具合が起きているのが自分だけなのかどうかも分からず、不安だ」と声を落とした。