東京地裁が入る庁舎=東京都千代田区

 東京都新宿区のタワーマンションの敷地内で住人の女性(当時25)を殺害したとして、殺人などの罪に問われた川崎市の和久井学被告(52)の裁判員裁判の判決が14日、東京地裁であった。伊藤ゆう子裁判長は「執拗(しつよう)かつ残虐で極めて危険な犯行」として懲役15年(求刑懲役17年)を言い渡した。

 判決などによると、被告は2024年5月、女性を待ち伏せし、帰宅してきたところを2本の果物ナイフで刺すなどして死亡させた。

 被告は21年4月ごろから女性が経営するキャバクラなどに通っていた。同年11月ごろ、女性から「人生をかけてくれたら結婚する」などと言われ、店で高額の注文を求められて1600万円を支払い、借金を背負った。

 判決は、被告がマンションに向かったのは、女性がインターネットのライブ配信で被告をおとしめる発言をするのを見て、「脅してでも金銭を取り返したい」と考えたためだと指摘。その後、怒りを爆発させて犯行に及んだとした。

 女性の言動については「被告の気持ちを利用し、経済的に追い詰めるもので、非難される点があったのは否定できない」とした一方、金銭問題は法的手段で解決するべきで「殺人を正当化する理由にならない」とした。

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